立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

非ミステリ

『愛する人達』 川端康成

内容(amazonより引用) 母の死後、母の初恋の人、佐山に引きとられた雪子は佐山を秘かに慕いながら若杉のもとへ嫁いでゆく――。雪子の実らない恋を潔く描く『母の初恋』。さいころを振る浅草の踊り子の姿を下町の抒情に托して写した『夜のさいころ』。他に『…

『砂嵐に星屑』 一穂ミチ

内容(amazonより引用) 舞台は大阪のテレビ局。腫れ物扱いの独身女性アナ、ぬるく絶望している非正規AD……。一見華やかな世界の裏側で、それぞれの世代にそれぞれの悩みがある。つらかったら頑張らなくてもいい。でも、つらくったって頑張ってみてもいい。人…

『(霊媒の話より)題未定』 阿部公房

内容(amazonより引用) やがて世界に名を馳せることとなる作家、安部公房。その思想の萌芽を鮮烈に伝える初期短編集。 太平洋戦争末期、満州で激動の日々を過ごした青年は、その時何を思い、何を未来に残したのか――。漂泊民の少年が定住を切望する19歳の処…

『万葉と沙羅』 中江有里

内容(amazonより引用) 実は、まわり道は一番近いのだ。 傑作青春小説がついに文庫化! 中学で友人関係に苦しみ不登校だった沙羅が選んだのは通信制高校。そこで再会した幼なじみの万葉は、古本屋でアルバイトする青年。「本という宝を探すにはコツがいる」…

『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

内容(amazonより引用) ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術…

『真夏の死』 三島由紀夫

内容(amazonより引用) 伊豆今井浜で実際に起った水死事故を下敷きに、苛酷な宿命とそれを克服した後にやってくる虚しさの意味を作品化した「真夏の死」をはじめ、文壇へのデビュー作ともいうべき「煙草」、レスビアニズム小説の先駆的な作品「春子」、戦後…

『百年の孤独』 ガブリエル・ガルシア=マルケス

内容(amazonより引用) 奇妙な寒村を開墾しながら孤独に生きる一族。その宿命を描いた、目も眩む百年の物語。1967年にアルゼンチンのスダメリカナ社から刊行されて以来、世界の名だたる作家たちが賛辞を惜しまず、その影響下にあることを公言している世界文…

『我が友、スミス』 石田夏穂

内容(amazonより引用) 前代未聞の筋トレ小説、誕生! 「別の生き物になりたい」。筋トレに励む会社員・U野は、Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。しかし、大会…

『生命式』 村田沙耶香

内容(amazonより引用) 夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集! 生命式 (河出文庫) 作者:村田沙耶香 河出書房新社 A…

『羅生門・鼻(新潮社)』 芥川龍之介

内容(amazonより引用) 京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひきぬいている老婆を目撃した男が、生きのびる道を見つける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をも…

『月と六ペンス』 サマセット・モーム

内容(amazonより引用) あるパーティで出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十をすぎ…

『木』 幸田文

内容(amazonより引用) 樹木を愛でるは心の養い、何よりの財産。父露伴のそんな思いから著者は樹木を感じる大人へと成長した。その木の来し方、行く末に思いを馳せる著者の透徹した眼は、木々の存在の向こうに、人間の業や生死の淵源まで見通す。倒木に着床…

『青い春を数えて』 武田綾乃

内容(amazonより引用) “青春”の表も裏もすべて抱えて、少女は大人になっていく。 放送部の知咲は、本番の舞台にトラウマがある。だが、エースの有紗の様子が変で――(白線と一歩)。怒られることが怖い優等生の細谷と、滅多に学校に来ない噂の不良少女・清水…

『水声』 川上弘美

内容(amazonより引用) 夢に亡くなったママが現れたのは、都が陵と暮らしはじめてからだった。きょうだいが辿りついた愛のかたちとは。読売文学賞受賞作。 水声 (文春文庫) 作者:川上 弘美 文藝春秋 Amazon 感想(ネタバレなし) ※以下はネタバレ箇所を隠し…

『約束された移動』 小川洋子

内容(amazonより引用) ハリウッド俳優Bの泊まった部屋からは、決まって一冊の本が抜き取られていた。Bからの無言の合図を受け取る客室係……「約束された移動」。ダイアナ妃に魅了され、ダイアナ妃の服に真似た服を手作りし身にまとうバーバラと孫娘を描く………

『デミアン』 ヘッセ

内容(amazonより引用) ラテン語学校に通う10歳の私、シンクレールは、不良少年ににらまれまいとして言った心にもない嘘によって、不幸な事件を招いてしまう。私をその苦境から救ってくれた友人のデミアンは、明るく正しい父母の世界とは別の、私自身が漠然…

『鎌倉うずまき案内所』 青山美智子

内容(amazonより引用) 古ぼけた時計屋の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。旋階段を下りた先には、双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っていて……。 「はぐれましたか」 会社を辞めたい20代男子。ユーチューバーを目指す息子を改心させたい母親。結…

『姫君を喰う話』 宇能鴻一郎

内容(amazonより引用) 東京大学大学院在学中に「鯨神」で芥川賞を受賞する。日本の古典に精通した教養と強靭な感性、きらめく文才で次々と作品を発表。のちに、膨大なポルノ小説を執筆、このジャンルの巨匠として一世を風靡した……。本書に収録したのは、谷…

『海も暮れきる』 吉村昭

内容(amazonより引用) 「咳をしてもひとり」「いれものがない 両手でうける」――自由律の作風で知られる漂泊の俳人・尾崎放哉は帝大を卒業し一流会社の要職にあったが、酒に溺れ職を辞し、美しい妻にも別れを告げ流浪の歳月を重ねた。最晩年、小豆島の土を…

『麦本三歩の好きなもの』 住野よる

内容(amazonより引用) 住野よるが贈る大人気「麦本三歩」シリーズ第一弾!待望の文庫化 好きなものがたくさんあるから、毎日はきっと楽しいー図書館勤務の20代女子・麦本三歩のなんでもないけど幸せな日々を描いた心温まる日常小説。 麦本三歩の好きなもの …

『ケチる貴方』 石田夏穂

内容(amazonより引用) 「冷え性」と「脂肪吸引」。いま文学界が最も注目する才能が放つ身体性に根差した問題作! ケチる貴方 作者:石田夏穂 講談社 Amazon 感想(ネタバレなし) 作者のことも一切知らず、何の気なしに読んでみたが、とても面白かった。 と…

『孤独の俳句 「山頭火と放哉」名句110選 』 金子兜太 又吉直樹

内容(amazonより引用) こんな時代だからこそ心に沁みる名句がある 「孤独」や「孤立」を感じる時代だからこそ、深く心に沁みる名句がある。漂泊・独居しながら句作を続けた“放浪の俳人”種田山頭火と尾崎放哉の自由律俳句が今、再び脚光を浴びているという…

『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』 三宅香帆

内容(amazonより引用) 夏目漱石、ドストエフスキー、三島由紀夫……。有名な作家の作品の読んだふりから卒業したい人のために、注目の書評家・三宅香帆が、古今東西の名作小説を取り上げながら、「面白く小説を読む技術」を解説。あらすじを先に読む、読みや…

『檸檬』 梶井基次郎

内容(amazonより引用) 31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、…

『奇想と微笑』 太宰治

内容(光文社サイトより引用) 中学校の国語の時間。「走れメロス」の音読テープに耳をふさいだ森見少年は、その後、くっついたり離れたりを繰り返しながらも、太宰の世界に惹かれていった――。読者を楽しませることをなによりも大切に考えた太宰治の作品群か…

『書を捨てよ、町へ出よう』 寺山修司

内容(amazonより引用) 永遠の不良・寺山修司による家出のススメ 平均化された生活なんてくそ食らえ。本も捨て、町に飛び出そう。家出の方法、サッカー、ハイティーン詩集、競馬、ヤクザになる方法……、天才アジテーター・寺山修司の100%クールな挑発の書。 …

『スーツケースの半分は』 近藤文恵

内容(amazonより引用) 三十歳を目前にした真美は、フリーマーケットで青いスーツケースに一目惚れし、憧れのNYへの一人旅を決意する。出発直前、ある記憶が蘇り不安に襲われるが、鞄のポケットから見つけた一片のメッセージが背中を押してくれた。やがて…

『地の糧』 ジッド (再読)

内容(amazonより引用) 君はすっかり読んでしまったら、この本を捨ててくれ給え。そして外へ出給え——。語り手は、青年ナタナエルに語りかける。「善か悪か懸念せずに愛すること」「賢者とはよろずのことに驚嘆する人を言う」「未来のうちに過去を再現しよう…

『伊豆の踊子』 川端康成

内容(amazonより引用) 旧制高校生の「私」は、一人で伊豆を旅していた。途中、旅芸人の一行を見かけ、美しい踊子から目が離せなくなる。大きな瞳を輝かせ、花のように笑う踊子。彼女と親しくなりたい。だが、「私」は声をかけられない……。そんなとき、偶然…

『小島』 小山田浩子

内容(amazonより引用) 絶対に無理はしないでください――。豪雨に見舞われた地区にボランティアとして赴いた〈私〉は、畑に流れこんだ泥を取り除く作業につく。その向こうでは、日よけ帽子をかぶった女性が花の世話をしていた。そこはまるで緑の小島のようで…