立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

目次

当ブログの感想の目次です。作家別に五十音順で並んでおります。 付けている点数は、個人的な10点満点中の評価です。あくまで主観的な基準によるものであり、専門家でも識者でも何でもない一個人の好みによる採点なので、軽い気持ちでご覧いただけると幸いで…

当ブログについて

はじめに 当ブログは本、主に小説の感想を上げていくことを趣旨としています。 元々は自分のためにノートに感想を書いていて、それをwebにも上げてみたく思い、開設に至りました。その為、誰かに紹介するようなスタンスではなく、ただ淡々と思ったことや良か…

『姫君を喰う話』 宇能鴻一郎

内容(amazonより引用) 東京大学大学院在学中に「鯨神」で芥川賞を受賞する。日本の古典に精通した教養と強靭な感性、きらめく文才で次々と作品を発表。のちに、膨大なポルノ小説を執筆、このジャンルの巨匠として一世を風靡した……。本書に収録したのは、谷…

『海も暮れきる』 吉村昭

内容(amazonより引用) 「咳をしてもひとり」「いれものがない 両手でうける」――自由律の作風で知られる漂泊の俳人・尾崎放哉は帝大を卒業し一流会社の要職にあったが、酒に溺れ職を辞し、美しい妻にも別れを告げ流浪の歳月を重ねた。最晩年、小豆島の土を…

『麦本三歩の好きなもの』 住野よる

内容(amazonより引用) 住野よるが贈る大人気「麦本三歩」シリーズ第一弾!待望の文庫化 好きなものがたくさんあるから、毎日はきっと楽しいー図書館勤務の20代女子・麦本三歩のなんでもないけど幸せな日々を描いた心温まる日常小説。 麦本三歩の好きなもの …

『僕の神さま』 芦沢央

内容(amazonより引用) 「知ってる? 川上さん、父親に殺されたらしいよ」僕が通う小学校で広がった、少女の死の噂話。川上さんは父親から虐待を受けていたが、協力を得られないまま転校したと聞いていた。しかも彼女の怨念が図書室の「呪いの本」にこめられ…

『ケチる貴方』 石田夏穂

内容(amazonより引用) 「冷え性」と「脂肪吸引」。いま文学界が最も注目する才能が放つ身体性に根差した問題作! ケチる貴方 作者:石田夏穂 講談社 Amazon 感想(ネタバレなし) 作者のことも一切知らず、何の気なしに読んでみたが、とても面白かった。 と…

『孤独の俳句 「山頭火と放哉」名句110選 』 金子兜太 又吉直樹

内容(amazonより引用) こんな時代だからこそ心に沁みる名句がある 「孤独」や「孤立」を感じる時代だからこそ、深く心に沁みる名句がある。漂泊・独居しながら句作を続けた“放浪の俳人”種田山頭火と尾崎放哉の自由律俳句が今、再び脚光を浴びているという…

『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』 三宅香帆

内容(amazonより引用) 夏目漱石、ドストエフスキー、三島由紀夫……。有名な作家の作品の読んだふりから卒業したい人のために、注目の書評家・三宅香帆が、古今東西の名作小説を取り上げながら、「面白く小説を読む技術」を解説。あらすじを先に読む、読みや…

『檸檬』 梶井基次郎

内容(amazonより引用) 31歳という若さで夭折した著者の残した作品は、昭和文学史上の奇蹟として、声価いよいよ高い。その異常な美しさに魅惑され、買い求めた一顆のレモンを洋書店の書棚に残して立ち去る『檸檬』、人間の苦悩を見つめて凄絶な『冬の日』、…

『エレファントヘッド』 白井智之

内容(amazonより引用) 本格ミステリ大賞受賞の鬼才が仕掛ける、空前絶後の推理迷宮。 精神科医の象山は家族を愛している。だが彼は知っていた。どんなに幸せな家族も、たった一つの小さな亀裂から崩壊してしまうことを――。やがて謎の薬を手に入れたことで…

『奇想と微笑』 太宰治

内容(光文社サイトより引用) 中学校の国語の時間。「走れメロス」の音読テープに耳をふさいだ森見少年は、その後、くっついたり離れたりを繰り返しながらも、太宰の世界に惹かれていった――。読者を楽しませることをなによりも大切に考えた太宰治の作品群か…

『ソラリス』 スタニスワフ・レム

内容(amazonより引用) 惑星ソラリス――この静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。彼らにいったい何が? ケルヴィンもまたソラリスの海…

『書を捨てよ、町へ出よう』 寺山修司

内容(amazonより引用) 永遠の不良・寺山修司による家出のススメ 平均化された生活なんてくそ食らえ。本も捨て、町に飛び出そう。家出の方法、サッカー、ハイティーン詩集、競馬、ヤクザになる方法……、天才アジテーター・寺山修司の100%クールな挑発の書。 …

『黄土館の殺人』 阿津川辰海

内容(amazonより引用) 殺人を企む一人の男が、土砂崩れを前に途方にくれた。復讐相手の住む荒土館が地震で孤立して、犯行が不可能となったからだ。そのとき土砂の向こうから女の声がした。 声は、交換殺人を申し入れてきた――。 同じころ、大学生になった僕…

『スーツケースの半分は』 近藤文恵

内容(amazonより引用) 三十歳を目前にした真美は、フリーマーケットで青いスーツケースに一目惚れし、憧れのNYへの一人旅を決意する。出発直前、ある記憶が蘇り不安に襲われるが、鞄のポケットから見つけた一片のメッセージが背中を押してくれた。やがて…

『地の糧』 ジッド (再読)

内容(amazonより引用) 君はすっかり読んでしまったら、この本を捨ててくれ給え。そして外へ出給え——。語り手は、青年ナタナエルに語りかける。「善か悪か懸念せずに愛すること」「賢者とはよろずのことに驚嘆する人を言う」「未来のうちに過去を再現しよう…

『黒猫 ポー傑作選1 ゴシックホラー編』 エドガー・アラン・ポー

内容(amazonより引用) 「この猫が怖くてたまらない」 おとなしい動物愛好家の「私」は、酒に溺れすっかり人が変わり、可愛がっていた黒猫を虐め殺してしまう。やがて妻も手にかけ、遺体を地下室に隠すが…。戦慄の復讐譚「黒猫」他「アッシャー家の崩壊」「…

『妻のオンパレード』 森博嗣

内容(amazonより引用) 書下ろし人気エッセィ、ついにシリーズ第12作登場! 「楽園」とはどんな場所なのか?/ついていないな、と思ったことはないが、運が良いなとは、いつも思う/その人にとって満足できる金額を所有している人を「お金持ち」という/AIは答え…

『滅びの前のシャングリラ』 凪良ゆう

内容(amazonより引用) 「明日死ねたら楽なのにとずっと夢見ていた。なのに最期の最期になって、もう少し生きてみてもよかったと思っている」 「一ヶ月後、小惑星が衝突し、地球は滅びる」。学校でいじめを受ける友樹、人を殺したヤクザの信士、恋人から逃…

『伊豆の踊子』 川端康成

内容(amazonより引用) 旧制高校生の「私」は、一人で伊豆を旅していた。途中、旅芸人の一行を見かけ、美しい踊子から目が離せなくなる。大きな瞳を輝かせ、花のように笑う踊子。彼女と親しくなりたい。だが、「私」は声をかけられない……。そんなとき、偶然…

『尾崎放哉句集』(岩波文庫) 尾崎放哉

内容(岩波書店公式サイトより引用) 「咳をしても一人」尾崎放哉(1885-1926)は成績優秀で鳥取一中から一高,東京帝国大学法学部へ.しかし後半生は一転する.勤めは永続きせず,京都の一燈園,神戸の須磨寺など,各地を転々とした後,最後は小豆島の札所…

『小島』 小山田浩子

内容(amazonより引用) 絶対に無理はしないでください――。豪雨に見舞われた地区にボランティアとして赴いた〈私〉は、畑に流れこんだ泥を取り除く作業につく。その向こうでは、日よけ帽子をかぶった女性が花の世話をしていた。そこはまるで緑の小島のようで…

『砂の女』 阿部公房

内容(amazonより引用) 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺…

『ミステリー・オーバードーズ』 白井智之

内容(amazonより引用) 探偵たちの集まった館で殺人事件が起きた。その晩、探偵たちの口にしたワインに幻覚剤が混入していたことで、事件は思わぬ方向へ転がっていく……。(ディテクティブ・オーバ―ドーズ)ほか“食”をテーマにした全5篇を収録。異世界転生…

『あの日の交換日記』 辻堂ゆめ

内容(中央公論新社公式サイトより引用) 交換日記、全部読みました。そして、思い出しました。嘘、殺人予告、そして告白……。大切な人のため綴った日記に秘められた真実とは? あの日の交換日記 作者:辻堂ゆめ 中央公論新社 Amazon 感想(ネタバレなし) 教…

『海と毒薬』 遠藤周作

内容(amazonより引用) 戦争末期の恐るべき出来事――九州の大学付属病院における米軍捕虜の生体解剖事件を小説化、著者の念頭から絶えて離れることのない問い「日本人とはいかなる人間か」を追究する。解剖に参加した者は単なる異常者だったのか? どんな倫理…

『喜嶋先生の静かな世界』 森博嗣

内容(amazonより引用) 文字を読むことが不得意で、勉強が大嫌いだった僕。大学4年のとき卒論のために配属された喜嶋研究室での出会いが、僕のその後の人生を大きく変えていく。寝食を忘れるほど没頭した研究、初めての恋、珠玉の喜嶋語録の数々。学問の深…

2023年を振り返って

今年は普段手を出さないジャンルや作者の本に手を伸ばせた年だった。 とあるバンド、思い切って名前を出してしまえばヨルシカの、影響をガッツリ受けてそれまでは殆ど読んでこなかった文学作品をいくつか読んだ。『老人と海』、『アルジャーノンに花束を』は…

『雪国』 川端康成

内容(amazonより引用) 親譲りの財産で、きままな生活を送る島村は、雪深い温泉町で芸者駒子と出会う。許婚者の療養費を作るため芸者になったという、駒子の一途な生き方に惹かれながらも、島村はゆきずりの愛以上のつながりを持とうとしない――。冷たいほど…