立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

目次

当ブログの感想の目次です。作家別に五十音順で並んでおります。 付けている点数は、個人的な10点満点中の評価です。あくまで主観的な基準によるものであり、専門家でも識者でも何でもない一個人の好みによる採点なので、軽い気持ちでご覧いただけると幸いで…

当ブログについて

はじめに 当ブログは本、主に小説の感想を上げていくことを趣旨としています。 元々は自分のためにノートに感想を書いていて、それをwebにも上げてみたく思い、開設に至りました。その為、誰かに紹介するようなスタンスではなく、ただ淡々と思ったことや良か…

2024年を振り返って

今年は忙しくて、あまり本を読む時間が作れなかった......。去年に引き続き文学作品を読めたことは良かったが、褒めるべき点がそれくらいしかない。 純文学は当たり外れが大きいイメージだったが、思っていたよりは当たりと出会えた印象。『檸檬』では本当に…

『愛する人達』 川端康成

内容(amazonより引用) 母の死後、母の初恋の人、佐山に引きとられた雪子は佐山を秘かに慕いながら若杉のもとへ嫁いでゆく――。雪子の実らない恋を潔く描く『母の初恋』。さいころを振る浅草の踊り子の姿を下町の抒情に托して写した『夜のさいころ』。他に『…

『ラウリ・クースクを探して』 宮内悠介

内容(amazonより引用) 1977年、エストニアに生まれたラウリ・クースク。コンピュータ・プログラミングの稀有な才能があった彼は、ソ連のサイバネティクス研究所で活躍することを目指す。だがソ連は崩壊し……。歴史に翻弄された一人の人物を描き出す、かけが…

『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信

内容(amazonより引用) ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少し…

『砂嵐に星屑』 一穂ミチ

内容(amazonより引用) 舞台は大阪のテレビ局。腫れ物扱いの独身女性アナ、ぬるく絶望している非正規AD……。一見華やかな世界の裏側で、それぞれの世代にそれぞれの悩みがある。つらかったら頑張らなくてもいい。でも、つらくったって頑張ってみてもいい。人…

『方舟』 夕木春央

内容(amazonより引用) 9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か? 大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさ…

『(霊媒の話より)題未定』 阿部公房

内容(amazonより引用) やがて世界に名を馳せることとなる作家、安部公房。その思想の萌芽を鮮烈に伝える初期短編集。 太平洋戦争末期、満州で激動の日々を過ごした青年は、その時何を思い、何を未来に残したのか――。漂泊民の少年が定住を切望する19歳の処…

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』  斜線堂有紀

内容(amazonより引用) 最愛の人の死には三億円の価値がある――。壮絶で切ない最後の夏が始まる。 片田舎に暮らす少年・江都日向(えとひなた)は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊…

『万葉と沙羅』 中江有里

内容(amazonより引用) 実は、まわり道は一番近いのだ。 傑作青春小説がついに文庫化! 中学で友人関係に苦しみ不登校だった沙羅が選んだのは通信制高校。そこで再会した幼なじみの万葉は、古本屋でアルバイトする青年。「本という宝を探すにはコツがいる」…

『夢伝い』 宇佐美まこと

内容(amazonより引用) 孤独を愛する人気作家が突然の断筆宣言。担当編集者は作家の住む地方へひとり、向かった。作家を脅かすものを探しに――(「夢伝い」)。地球に近づいてきた惑星、現れた女遍路――。四国に戻って来た私は、40年前の午後を思い出していた(…

『夏への扉』 ロバート・A・ハインライン

内容(amazonより引用) ぼくの飼い猫のピートは、冬になるときまって「夏への扉」を探しはじめる。家にあるドアのどれかひとつが、夏に通じていると固く信じているのだ。そして1970年12月、ぼくもまた「夏への扉」を探していた。親友と恋人に裏切られ、技術…

『千年ジュリエット』 初野晴

内容(amazonより引用) 文化祭の季節がやってきた! 吹奏楽部の元気少女チカと、残念系美少年のハルタも準備に忙しい毎日。そんな中、変わった風貌の美女が高校に現れる。しかも、ハルタとチカの憧れの先生と何やら親しげで……。 千年ジュリエット (角川文庫)…

『真夏の死』 三島由紀夫

内容(amazonより引用) 伊豆今井浜で実際に起った水死事故を下敷きに、苛酷な宿命とそれを克服した後にやってくる虚しさの意味を作品化した「真夏の死」をはじめ、文壇へのデビュー作ともいうべき「煙草」、レスビアニズム小説の先駆的な作品「春子」、戦後…

『夏休みの空欄探し』 似鳥鶏

内容(amazonより引用) 会員が2名しかいないクイズ研究会会長の高校2年生・成田頼伸(ライ)は、クラス内で「じゃない方」と呼ばれている。ライと同じ姓で、ダンス同好会に所属する人気者・成田清春(キヨ)がいるからだ。クラスで「成田君」といえば、キヨのこ…

『こぽこぽ、珈琲』 アンソロジー

内容(amazonより引用) 人気シリーズ「おいしい文藝」文庫化開始! 珠玉の珈琲エッセイ31篇を収録。珈琲を傍らに読む贅沢な時間。豊かな香りと珈琲を淹れる音まで感じられるひとときをお愉しみください。 こぽこぽ、珈琲: おいしい文藝 (河出文庫 ん 5-1) …

『百年の孤独』 ガブリエル・ガルシア=マルケス

内容(amazonより引用) 奇妙な寒村を開墾しながら孤独に生きる一族。その宿命を描いた、目も眩む百年の物語。1967年にアルゼンチンのスダメリカナ社から刊行されて以来、世界の名だたる作家たちが賛辞を惜しまず、その影響下にあることを公言している世界文…

『地雷グリコ』 青崎有吾

内容(amazonより引用) ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説! 射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地…

『我が友、スミス』 石田夏穂

内容(amazonより引用) 前代未聞の筋トレ小説、誕生! 「別の生き物になりたい」。筋トレに励む会社員・U野は、Gジムで自己流のトレーニングをしていたところ、O島からボディ・ビル大会への出場を勧められ、本格的な筋トレと食事管理を始める。しかし、大会…

『生命式』 村田沙耶香

内容(amazonより引用) 夫も食べてもらえると喜ぶと思うんで――死んだ人間を食べる新たな葬式を描く表題作のほか、村田沙耶香自身がセレクトした、脳そのものを揺さぶる12篇。文学史上、最も危険な短編集! 生命式 (河出文庫) 作者:村田沙耶香 河出書房新社 A…

『夏季限定トロピカルパフェ事件』 米澤穂信

内容(amazonより引用) 小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ…

『羅生門・鼻(新潮社)』 芥川龍之介

内容(amazonより引用) 京の都が、天災や飢饉でさびれすさんでいた頃。荒れはてた羅生門に運びこまれた死人の髪の毛を、一本一本とひきぬいている老婆を目撃した男が、生きのびる道を見つける『羅生門』。あごの下までぶらさがる、見苦しいほど立派な鼻をも…

『月と六ペンス』 サマセット・モーム

内容(amazonより引用) あるパーティで出会った、冴えない男ストリックランド。ロンドンで、仕事、家庭と何不自由ない暮らしを送っていた彼がある日、忽然と行方をくらませたという。パリで再会した彼の口から真相を聞いたとき、私は耳を疑った。四十をすぎ…

『梅雨物語』 貴志祐介

内容(amazonより引用) ・命を絶った青年が残したという一冊の句集。元教師の俳人・作田慮男は教え子の依頼で一つ一つの句を解釈していくのだが、やがて、そこに隠された恐るべき秘密が浮かび上がっていく。(「皐月闇」)・巨大な遊廓で、奇妙な花魁たちと遊…

『木』 幸田文

内容(amazonより引用) 樹木を愛でるは心の養い、何よりの財産。父露伴のそんな思いから著者は樹木を感じる大人へと成長した。その木の来し方、行く末に思いを馳せる著者の透徹した眼は、木々の存在の向こうに、人間の業や生死の淵源まで見通す。倒木に着床…

『青い春を数えて』 武田綾乃

内容(amazonより引用) “青春”の表も裏もすべて抱えて、少女は大人になっていく。 放送部の知咲は、本番の舞台にトラウマがある。だが、エースの有紗の様子が変で――(白線と一歩)。怒られることが怖い優等生の細谷と、滅多に学校に来ない噂の不良少女・清水…

『名探偵のままでいて』 小西マサテル

内容(amazonより引用) かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は現在、幻視や記憶障害といった症状が現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。しかし、孫娘の楓が身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生き…

『六人の嘘つきな大学生』 朝倉秋成

内容(amazonより引用) 六人の嘘つきな大学生 (角川文庫) 作者:浅倉 秋成 KADOKAWA Amazon 成長著しいIT企業「スピラリンクス」が初めて行う新卒採用。最終選考に残った六人の就活生に与えられた課題は、一カ月後までにチームを作り上げ、ディスカッション…

『水声』 川上弘美

内容(amazonより引用) 夢に亡くなったママが現れたのは、都が陵と暮らしはじめてからだった。きょうだいが辿りついた愛のかたちとは。読売文学賞受賞作。 水声 (文春文庫) 作者:川上 弘美 文藝春秋 Amazon 感想(ネタバレなし) ※以下はネタバレ箇所を隠し…