立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

『黄土館の殺人』 阿津川辰海

内容(amazonより引用)

殺人を企む一人の男が、土砂崩れを前に途方にくれた。
復讐相手の住む荒土館が地震で孤立して、犯行が不可能となったからだ。
そのとき土砂の向こうから女の声がした。

声は、交換殺人を申し入れてきた――。

同じころ、大学生になった僕は、
旅行先で「名探偵」の葛城と引き離され、
荒土館に滞在することになる。
孤高の芸術一家を襲う連続殺人。

葛城はいない。僕は惨劇を生き残れるか。

 

 

感想(ネタバレなし)

※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※

館四重奏シリーズ(というらしい)の第三弾。
趣向が変わっていて、今回は葛城、田所、そして紅蓮館以来の登場となる飛鳥井にそれぞれ焦点を当てた三部構成になっている。

第一部は言わば前菜的な事件を葛城が解決するお話。
前巻で鮮やかな復活を遂げたので、もう名探偵として完成されたのかと思いきや、人間味のある場面が数多く見れて良かった。
”探偵は生き方”というテーマを非常に丁寧に掘り下げているシリーズだなとつくづく思う。

メインである二部以降は要素がてんこ盛り。
本ミスらしいアレやコレやが凝縮されていて、ジャンル自体の楽しさを再確認するような思いだった。
あと、普段ワトソン役の田所くんが大健闘しているのも嬉しい。

そして飛鳥井さんが満を持して探偵に返り咲き......と最高に盛り上がる展開で明かされる犯人が完全に想定内だったのは残念。

とは言えトリックには驚けたし、ストーリーも熱かったので満足。
探偵として生きる彼らの行く末がどうなるかも含め、最終作に寄せる期待は高い。

 

評価:8点

2024/2/25 読了

 

以下、ネタバレ箇所を含めた感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想(ネタバレあり)

館四重奏シリーズ(というらしい)の第三弾。
趣向が変わっていて、今回は葛城、田所、そして紅蓮館以来の登場となる飛鳥井にそれぞれ焦点を当てた三部構成になっている。

第一部は言わば前菜的な事件を葛城が解決するお話。
前巻で鮮やかな復活を遂げたので、もう名探偵として完成されたのかと思いきや、人間味のある場面が数多く見れて良かった。
”探偵は生き方”というテーマを非常に丁寧に掘り下げているシリーズだなとつくづく思う。

メインである二部以降は要素がてんこ盛り。
本ミスらしいアレやコレやが凝縮されていて、ジャンル自体の楽しさを再確認するような思いだった。
あと、普段ワトソン役の田所くんが大健闘しているのも嬉しい。

そして飛鳥井さんが満を持して探偵に返り咲き......と最高に盛り上がる展開で明かされる犯人が完全に想定内だったのは残念。
双子という言葉が出た時点で人物一覧から正体まるわかりなのはちょっとなぁ......。

とは言えトリックには驚けたし、ストーリーも熱かったので満足。
探偵として生きる彼らの行く末がどうなるかも含め、最終作に寄せる期待は高い。

 

下線部がネタバレ箇所です