立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

7点

『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信

内容(amazonより引用) ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少し…

『砂嵐に星屑』 一穂ミチ

内容(amazonより引用) 舞台は大阪のテレビ局。腫れ物扱いの独身女性アナ、ぬるく絶望している非正規AD……。一見華やかな世界の裏側で、それぞれの世代にそれぞれの悩みがある。つらかったら頑張らなくてもいい。でも、つらくったって頑張ってみてもいい。人…

『夏の終わりに君が死ねば完璧だったから』  斜線堂有紀

内容(amazonより引用) 最愛の人の死には三億円の価値がある――。壮絶で切ない最後の夏が始まる。 片田舎に暮らす少年・江都日向(えとひなた)は劣悪な家庭環境のせいで将来に希望を抱けずにいた。そんな彼の前に現れたのは身体が金塊に変わる致死の病「金塊…

『万葉と沙羅』 中江有里

内容(amazonより引用) 実は、まわり道は一番近いのだ。 傑作青春小説がついに文庫化! 中学で友人関係に苦しみ不登校だった沙羅が選んだのは通信制高校。そこで再会した幼なじみの万葉は、古本屋でアルバイトする青年。「本という宝を探すにはコツがいる」…

『地雷グリコ』 青崎有吾

内容(amazonより引用) ミステリ界の旗手が仕掛ける本格頭脳バトル小説! 射守矢真兎(いもりや・まと)。女子高生。勝負事に、やたらと強い。平穏を望む彼女が日常の中で巻き込まれる、風変わりなゲームの数々。罠の位置を読み合いながら階段を上ったり(「地…

『夏季限定トロピカルパフェ事件』 米澤穂信

内容(amazonより引用) 小市民たるもの、日々を平穏に過ごす生活態度を獲得せんと希求し、それを妨げる事々に対しては断固として回避の立場を取るべし。賢しらに名探偵を気取るなどもってのほか。諦念と儀礼的無関心を心の中で育んで、そしていつか掴むんだ…

『梅雨物語』 貴志祐介

内容(amazonより引用) ・命を絶った青年が残したという一冊の句集。元教師の俳人・作田慮男は教え子の依頼で一つ一つの句を解釈していくのだが、やがて、そこに隠された恐るべき秘密が浮かび上がっていく。(「皐月闇」)・巨大な遊廓で、奇妙な花魁たちと遊…

『名探偵のままでいて』 小西マサテル

内容(amazonより引用) かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は現在、幻視や記憶障害といった症状が現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。しかし、孫娘の楓が身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生き…

『探偵AIのリアル・ディープラーニング』 早坂吝

内容(amazonより引用) 「本格ミステリ」×「人工知能科学」 賢くて可愛いAI 探偵が悪の組織と本格推理対決。人工知能の研究者だった父が、密室で謎の死を遂げた。「探偵」と「犯人」、双子のAI を遺して――。高校生の息子・輔は、探偵のAI・相以とともに父を…

『鎌倉うずまき案内所』 青山美智子

内容(amazonより引用) 古ぼけた時計屋の地下にある「鎌倉うずまき案内所」。旋階段を下りた先には、双子のおじいさんとなぜかアンモナイトが待っていて……。 「はぐれましたか」 会社を辞めたい20代男子。ユーチューバーを目指す息子を改心させたい母親。結…

『今はもうない』 森博嗣

内容(amazonより引用) 嵐の山荘で起きた2つの密室殺人事件!隣り合った部屋で死んだ美人姉妹。40歳の私は、西之園嬢と推理する。 避暑地にある別荘で、美人姉妹が隣り合わせた部屋で1人ずつ死体となって発見された。2つの部屋は、映写室と鑑賞室で、いずれ…

『青空と逃げる』 辻村美月

内容(amazonより引用) 深夜の交通事故から幕を開けた、家族の危機。押し寄せる悪意と興味本位の追及に日常を奪われた母と息子は、東京から逃げることを決めた――。 辻村深月が贈る、一家の再生の物語。読売新聞好評連載、待望の単行本化。 青空と逃げる (中…

『姫君を喰う話』 宇能鴻一郎

内容(amazonより引用) 東京大学大学院在学中に「鯨神」で芥川賞を受賞する。日本の古典に精通した教養と強靭な感性、きらめく文才で次々と作品を発表。のちに、膨大なポルノ小説を執筆、このジャンルの巨匠として一世を風靡した……。本書に収録したのは、谷…

『海も暮れきる』 吉村昭

内容(amazonより引用) 「咳をしてもひとり」「いれものがない 両手でうける」――自由律の作風で知られる漂泊の俳人・尾崎放哉は帝大を卒業し一流会社の要職にあったが、酒に溺れ職を辞し、美しい妻にも別れを告げ流浪の歳月を重ねた。最晩年、小豆島の土を…

『僕の神さま』 芦沢央

内容(amazonより引用) 「知ってる? 川上さん、父親に殺されたらしいよ」僕が通う小学校で広がった、少女の死の噂話。川上さんは父親から虐待を受けていたが、協力を得られないまま転校したと聞いていた。しかも彼女の怨念が図書室の「呪いの本」にこめられ…

『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』 三宅香帆

内容(amazonより引用) 夏目漱石、ドストエフスキー、三島由紀夫……。有名な作家の作品の読んだふりから卒業したい人のために、注目の書評家・三宅香帆が、古今東西の名作小説を取り上げながら、「面白く小説を読む技術」を解説。あらすじを先に読む、読みや…

『ソラリス』 スタニスワフ・レム

内容(amazonより引用) 惑星ソラリス――この静謐なる星は意思を持った海に表面を覆われていた。惑星の謎の解明のため、ステーションに派遣された心理学者ケルヴィンは変わり果てた研究員たちを目にする。彼らにいったい何が? ケルヴィンもまたソラリスの海…

『書を捨てよ、町へ出よう』 寺山修司

内容(amazonより引用) 永遠の不良・寺山修司による家出のススメ 平均化された生活なんてくそ食らえ。本も捨て、町に飛び出そう。家出の方法、サッカー、ハイティーン詩集、競馬、ヤクザになる方法……、天才アジテーター・寺山修司の100%クールな挑発の書。 …

『黒猫 ポー傑作選1 ゴシックホラー編』 エドガー・アラン・ポー

内容(amazonより引用) 「この猫が怖くてたまらない」 おとなしい動物愛好家の「私」は、酒に溺れすっかり人が変わり、可愛がっていた黒猫を虐め殺してしまう。やがて妻も手にかけ、遺体を地下室に隠すが…。戦慄の復讐譚「黒猫」他「アッシャー家の崩壊」「…

『妻のオンパレード』 森博嗣

内容(amazonより引用) 書下ろし人気エッセィ、ついにシリーズ第12作登場! 「楽園」とはどんな場所なのか?/ついていないな、と思ったことはないが、運が良いなとは、いつも思う/その人にとって満足できる金額を所有している人を「お金持ち」という/AIは答え…

『砂の女』 阿部公房

内容(amazonより引用) 砂丘へ昆虫採集に出かけた男が、砂穴の底に埋もれていく一軒家に閉じ込められる。考えつく限りの方法で脱出を試みる男。家を守るために、男を穴の中にひきとめておこうとする女。そして、穴の上から男の逃亡を妨害し、二人の生活を眺…

『傲慢と善良』 辻村深月

内容(amazonより引用) 婚約者・坂庭真実が姿を消した。その居場所を探すため、西澤架は、彼女の「過去」と向き合うことになる。「恋愛だけでなく生きていくうえでのあらゆる悩みに答えてくれる物語」と読者から圧倒的な支持を得た作品が遂に文庫化。 傲慢…

『クドリャフカの順番』 米澤穂信

内容(amazonより引用) 待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲…

『体育館の殺人』 青崎有吾

内容(amazonより引用) 風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解…

『愚者のエンドロール』 米澤穂信

内容(amazonより引用) 「折木さん、わたしとても気になります」文化祭に出展するクラス製作の自主映画を観て千反田えるが呟いた。その映画のラストでは、廃屋の鍵のかかった密室で少年が腕を切り落とされ死んでいた。誰が彼を殺したのか?その方法は?だが、…

『秋雨物語』 貴志祐介

内容(amazonより引用) 生きながら、地獄に堕ちるということ――。恐るべき新シリーズ始動! 失踪した作家・青山黎明が遺した原稿。それは彼を長年悩ませる謎の転移現象の記録だった。転移に抵抗する青山だったが、更なる悪夢に引きずり込まれていく(「フーグ…

『アンデッドガール・マーダーファルス4』 青崎有吾

内容(amazonより引用) 輪堂鴉夜が、生首でも、不死でもなかった時代。偉大なる師と共に過ごした黄金の日々。今や彼女の他にそれを知るものは天の星のみ。 アンデッドガール・マーダーファルス 4 (講談社タイガ) 作者:青崎有吾 講談社 Amazon 感想(ネタバ…

『世界でいちばん透きとおった物語』 杉井光

内容(amazonより引用) 大御所ミステリ作家の宮内彰吾が、癌の闘病を経て61歳で死去した。 女癖が悪かった宮内は、妻帯者でありながら多くの女性と交際しており、そのうちの一人とは子供までつくっていた。それが僕だ。 宮内の死後、彼の長男から僕に連絡が…

『逢魔宿り』 三津田信三

内容(amazonより引用) 元編集者で現ホラー・ミステリ作家の「僕」のもとに、昔仕事をしたデザイナー・松尾から連絡が入った。「小説 野性時代」に連載している連作怪奇短篇について、話したいことがあるという。各短篇は、それぞれ他人から聞いた体験談を…

『一つ屋根の下の探偵たち』 森川智喜

内容(amazonより引用) “なまけものの探偵”と“働きものの探偵”、二人の探偵とハウスシェアを始めた新人エッセイストの浅間修は、苦しい経済状況を打破するために、同居人の探偵捜査についてルポルタージュを書くことに。そんなとき、雑誌に「アリとキリギリ…