立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

『妻のオンパレード』 森博嗣

内容(amazonより引用)

書下ろし人気エッセィ、ついにシリーズ第12作登場!

「楽園」とはどんな場所なのか?/
ついていないな、と思ったことはないが、運が良いなとは、いつも思う/
その人にとって満足できる金額を所有している人を「お金持ち」という/
AIは答えることしかできない ほか

 

 

感想(ネタバレなし)

毎年恒例の森エッセィ。買ったり買わなかったりなのだが、毎度の如く森節全開で、読んでいて落ち着く。

世間から離れている故の、冷静で理路整然とした観察がやはり見事で、特にSNSで散見される主張に対し、感情と意見の違いを説く項は、漫然と抱いていた違和感の正体が分かったようでスッキリした。

言葉の定義を問いただす話も相変わらず多く、細かい所を気にするなぁと半ば呆れつつ、自分がおろそかにしている言葉遣いもあって、襟を正さねばと思わせられた。
「ないです」は普通に使ってたなぁ.......。

そんなこんなでいつもの通りなのだが、ちょくちょく珍しい記述もあった。
奥様(当然敬称)であるスバル氏の鼻歌を聞いて機嫌が良くなるなんて、あの森博嗣の口から出るとは意外や意外。
買ってくれるファンへの感謝も何度か見られ、頬が緩む。

自由に生きる片手間で書かれたこのシリーズが好きだから、来年も読めたら嬉しい。
またね。

 

評価:7点

2024/2/8 読了