内容(amazonより引用)
待望の文化祭が始まった。だが折木奉太郎が所属する古典部で大問題が発生。手違いで文集「氷菓」を作りすぎたのだ。部員が頭を抱えるそのとき、学内では奇妙な連続盗難事件が起きていた。盗まれたものは碁石、タロットカード、水鉄砲―。この事件を解決して古典部の知名度を上げよう!目指すは文集の完売だ!!盛り上がる仲間たちに後押しされて、奉太郎は事件の謎に挑むはめに…。大人気“古典部”シリーズ第3弾。
感想(ネタバレなし)
※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※
3作目は待ちに待った文化祭!引っ張っただけあって非常に力の入ったものになっている。
何がいいって、もうひたすら楽しいのだ。
クイズ大会にお料理大会、そして現れる怪盗とまさにお祭り騒ぎ。
”文化祭の活動が盛んな学校”という設定が存分に活かされ、著者のセンスが光っている。
もう一つ特筆すべきは、メインキャラクター4人の視点で物語が展開する点。
既に愛着を固めていた古典部の面々の、それぞれのモノローグが書かれてとても嬉しい。
特に里志のおもしろ主義が根っからのものだと分かって良かった。
半ば狂人だな、コイツ。
と、シリーズの山とも呼ぶべき盛り上がりを見せる一方で、このシリーズらしいほろ苦さも失われていない。
モラトリアムらしい題材を綺麗事抜きに映し出す。
持つ者と持たざる者、その双方が抱くジレンマに偽りなしの青春がある。
ミステリ要素は控えめだったが、全く気にならない程に魅力的な作品だった。
評価:7点
2023/11/21 読了
以下、ネタバレ箇所を含めた感想
感想(ネタバレあり)
3作目は待ちに待った文化祭!引っ張っただけあって非常に力の入ったものになっている。
何がいいって、もうひたすら楽しいのだ。
クイズ大会にお料理大会、そして現れる怪盗とまさにお祭り騒ぎ。
”文化祭の活動が盛んな学校”という設定が存分に活かされ、著者のセンスが光っている。
もう一つ特筆すべきは、メインキャラクター4人の視点で物語が展開する点。
既に愛着を固めていた古典部の面々の、それぞれのモノローグが書かれてとても嬉しい。
特に里志のおもしろ主義が根っからのものだと分かって良かった。
半ば狂人だな、コイツ。
と、シリーズの山とも呼ぶべき盛り上がりを見せる一方で、このシリーズらしいほろ苦さも失われていない。
才能といういかにもモラトリアムらしい題材を綺麗事抜きに映し出す。
持つ者と持たざる者、その双方が抱くジレンマに偽りなしの青春がある。
ミステリ要素は控えめだったが、全く気にならない程に魅力的な作品だった。
下線部がネタバレ箇所です