内容(amazonより引用)
この先に「月に一番近い場所」があるんです――。樹海を目指した男が、そこで見たものは? 「月は一年に三・八センチずつ、地球から離れていってるんですよ」。死に場所を探してタクシーに乗った男を、運転手は山奥へと誘う。「実はわたし、一三八億年前に生まれたんだ」。妻を亡くした男が営む食堂で毎夜定食を頼む女性客が、小学生の娘に語った言葉の真意。科学のきらめきが人の想いを結びつける短篇集。
感想(ネタバレなし)
※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※
科学を題材にしつつ、人生を描き出す感動作......なのだが、如何せん合わない。
どうも全体通して辛気臭くて好みじゃなかった。
最初に置かれた表題作の時点で相性の悪さを察せてしまう。
自殺を試みる客と、それを乗せるタクシードライバーというシチュエーションは良いのだけれども、その不幸がバブルで借金をこさえただとか離婚したとか型通りすぎて、うーん......。
しかも落としどころが○○っていうのも、なんだかなぁ......。
他はまだ抵抗なく読めたけど、どれも”悲しき過去”の一辺倒なのが目に付き、乗れなかった。
いい話然とした感じが苦手なのかも。
ただ、「エイリアンの食堂」はとても良かった。
物理学の魅力が詰まっているし、KEKの名前まで飛び出して、嬉しかった。
やっぱり素粒子物理はロマン。
否定意見が主となったが、それは僕の感性がひねくれているのが主原因だろうし、心が澄んだ人は素直に受け入れられるだろう。
評価:5点
2023/11/28 読了
以下、ネタバレ箇所を含めた感想
感想(ネタバレあり)
科学を題材にしつつ、人生を描き出す感動作......なのだが、如何せん合わない。
どうも全体通して辛気臭くて好みじゃなかった。
最初に置かれた表題作の時点で相性の悪さが察せてしまう。
自殺を試みる客と、それを載せるタクシードライバーというシチュエーションは良いのだけれども、その不幸がバブルで借金をこさえただとか離婚したとか型通りすぎて、うーん......。
しかも落としどころがさらに不幸なドライバーの話で立ち返るっていうのも、なんだかなぁ......。
他はまだ抵抗なく読めたけど、どれも”悲しき過去”の一辺倒なのが目に付き、乗れなかった。
いい話然とした感じが苦手なのかも。
ただ、「エイリアンの食堂」はとても良かった。
物理学の魅力が詰まっているし、KEKの名前まで飛び出して、嬉しかった。
やっぱり素粒子物理はロマン。
否定意見が主となったが、それは僕の感性がひねくれているのが主原因だろうし、心が澄んだ人は素直に受け入れられるだろう。
下線部がネタバレ箇所です