内容(amazonより引用)
「やっぱりあいづ又三郎だぞ」谷川の岸の小学校に風のように現われ去っていった転校生に対する、子供たちの親しみと恐れのいりまじった気持を生き生きと描く表題作や、「やまなし」「二十六夜」「祭の晩」「グスコーブドリの伝記」など16編を収録。
感想(ネタバレなし)
※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※
普段あまり文学作品と呼ばれる類の本を読まないが、ある機会があって触れてみた。
宮沢賢治と言えば『雨ニモマケズ』のイメージが強く、高尚なお話を書く方だと想像していたので、結構残酷であったり、皮肉的な話もあって意外だった。
特に「蜘蛛となめくじと狸」は展開の理不尽さとヴァイオレンスさが相まって、ドライブ感満載。
落語のようなオチには思わず声を出して笑ってしまった。
一方で、後半の収録作では想像していた通りの気高さが覗ける。
著名な「グスコーブドリの伝記」は、イーハトーブを舞台とした冒険譚として楽しめる一方で、主人公ブドリの献身によるラストシーンが胸を打つ。
こうした精神性を持ち合わせていたからこそ、後世に語り継がれているんだろうな。
表題作は前述した作風とはまた別で、瑞々しい感性が息づく童話的な作品になっている。
以前から気になっていたのもあって、興味深く読めたと思う。
評価:なし(文学作品のため)
2023/6/28 読了
以下、ネタバレ箇所を含めた感想
感想(ネタバレあり)
普段あまり文学作品と呼ばれる類の本を読まないが、ある機会があって触れてみた。
宮沢賢治と言えば『雨ニモマケズ』のイメージが強く、高尚なお話を書く方だと想像していたので、結構残酷であったり、皮肉的な話もあって意外だった。
特に「蜘蛛となめくじと狸」は展開の理不尽さとヴァイオレンスさが相まって、ドライブ感満載。
落語のようなオチには思わず声を出して笑ってしまった。
一方で、後半の収録作では想像していた通りの気高さが覗ける。
著名な「グスコーブドリの伝記」は、イーハトーブを舞台とした冒険譚として楽しめる一方で、主人公ブドリの献身によるラストシーンが胸を打つ。
こうした精神性を持ち合わせていたからこそ、後世に語り継がれているんだろうな。
表題作は前述した作風とはまた別で、瑞々しい感性が息づく童話的な作品になっている。
三郎の正体をぼかしているのが巧く、読後は筆舌に尽くせぬ爽やかさがあった。
以前から気になっていたのもあって、興味深く読めたと思う。
下線部がネタバレ箇所です