立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

『体育館の殺人』 青崎有吾

内容(amazonより引用)

風ヶ丘高校の旧体育館で、放課後、放送部の少年が刺殺された。密室状態の体育館にいた唯一の人物、女子卓球部部長の犯行だと警察は決めてかかる。卓球部員・柚乃は、部長を救うために、学内一の天才と呼ばれている裏染天馬に真相の解明を頼んだ。アニメオタクの駄目人間に―。“平成のエラリー・クイーン”が、大幅改稿で読者に贈る、第22回鮎川哲也賞受賞作。待望の文庫化。

 

 

感想(ネタバレなし)

※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※

今を時めく人気作家のデビュー作。
非常に端正なミステリで良かった。

シリーズ探偵である天馬はキワモノだし、オタク描写もコッテコテなので好みが大分別れそう。
個人的にはギリギリ許容範囲。
てか、駄目人間って呼ばれてるけど実は良識がある......とかじゃなくて本当に駄目人間でしかないの珍しいな。
行動原理ずっと金だし。

そんな天馬だが、推理のキレはピカ一。
一つの手がかりから数多くの情報を引き出して、ロジックを構築していく。まさにミステリのお手本と言うべき探偵っぷり。

一番の見どころはやはり論理の核をなす、アレの推論。
何故その場にアレがあったのかという単純な疑問により、犯人の行動が見え、心理が透け、トリックが暴かれていく様は爽快。

エピローグは若干蛇足な気もするが、最後まで読者を楽しませようとする心意気に溢れていて嫌いじゃない。

続きも是非読みたいと思う。

 

評価:7点

2023/10/31 読了

 

以下、ネタバレ箇所を含めた感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想(ネタバレあり)

今を時めく人気作家のデビュー作。
非常に端正なミステリで良かった。

シリーズ探偵である天馬はキワモノだし、オタク描写もコッテコテなので好みが大分別れそう。
個人的にはギリギリ許容範囲。
てか、ダメ人間って呼ばれてるけど実は良識もある......とかじゃなくて本当に駄目人間でしかないの珍しいな。
行動原理ずっと金だし。

そんな天馬だが、推理のキレはピカ一。
一つの手がかりから数多くの情報を引き出して、ロジックを構築していく。まさにミステリのお手本と言うべき探偵っぷり。

一番の見どころはやはり論理の核をなす、の推論。
何故その場にがあったのかという単純な疑問により犯人の、行動が見え、心理が透け、トリックが暴かれていく様は爽快。

エピローグは若干蛇足な気もするが、最後まで読者を楽しませようとする心意気に溢れていて嫌いじゃない。

続きも是非読みたいと思う。

 

下線部がネタバレ箇所です