内容(amazonより引用)
闇鍋本格ミステリ【冒険・バトル・伝奇全部入り】
村人が次々喰い殺され、闇夜に少女が連れ去られた――犯人は人か、それとも狼か。怪物事件専門の不死探偵が人狼探しに挑む。
闇夜に少女が連れ去られ、次々と喰い殺された。ダイヤの導きに従いドイツへ向かった鴉夜たちが遭遇したのは、人には成しえぬ怪事件。その村の崖下には人狼の里が隠れているという伝説があった。"夜宴"と"ロイズ"も介入し混乱深まる中、捜査を進める探偵たち。やがて到達した人狼村で怪物たちがぶつかり合い、輪堂鴉夜の謎解きが始まる--謎と冒険が入り乱れる笑劇【ファルス】、第三弾!
感想(ネタバレなし)
※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※
何でもあり特殊設定ミステリ第3弾。
今回のテーマは人狼。
狼、人間、そしてその中間の3形態になれる人狼の設定が上手く事件に組み込まれている。
例の如く主人公う3人組の掛け合いが軽妙で、読んでいて楽しい。
敵役ではあるが、ヴィクターも若干人間味を見せ始め、魅力が出てきたように思える。
そんなキャラクター小説的面が充実する一方で、ミステリ面はシリーズ一、本格的だ。
2つの里で起きる連続殺人を巡る大小様々な謎が鮮やかに解かれる。
特に、○○という疑問から正体を突き止める推理が美しく、思わず唸った。
○○により事件の様相が反転するのも見事。
特殊設定ミステリの可能性を広げ続けるこのシリーズの、会心の一作だった。
......ただ、続編が出るたびに作者の性癖描写が多くなっているのと、今の所○○が完全に噛ませでしかないのが気になる。
前者は処置なしとして、後者は流石にいい所を少しは見たいのだが......。
評価:8点
2022/12/31 読了
以下、ネタバレ箇所を含めた感想
感想(ネタバレあり)
何でもあり特殊設定ミステリ第3弾。
今回のテーマは人狼。
狼、人間、そしてその中間の3形態になれる人狼の設定が上手い事事件に組み込まれている。
例の如く主人公う3人組の掛け合いが軽妙で、読んでいて楽しい。
敵役ではあるが、ヴィクターも若干人間味を見せ始め、魅力が出てきたように思える。
そんなキャラクター小説的面が充実する一方で、ミステリ面はシリーズ一、本格的だ。
2つの里で起きる連続殺人を巡る大小様々な謎が鮮やかに解かれる。
特に、犯人がいかにして部屋から抜け出したか、という疑問から正体を突き止める推理が美しく、思わず唸った。
動機により事件の様相が反転するのも見事。
特殊設定ミステリの可能性を広げ続けるこのシリーズの、会心の一作だった。
......ただ、続編が出るたびに作者の性癖描写が多くなっているのと、今の所ロイズが完全に噛ませでしかないのが気になる。
前者は処置なしとして、後者は流石にいい所を少しは見たいのだが......。
ラストのあの人に期待しよう。
下線部がネタバレ箇所です