立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

『十月の旅人』 レイ・ブラッドベリ

内容(amazonより引用)

ブラッドベリの初期作品群から甘美で詩情漂う10の佳篇を精選した日本オリジナル短篇集

 

 

感想(ネタバレなし)

ブラッドベリのマイナーめの短編を集めた作品集.......らしい。
華氏451度』を読んだだけなので、ほぼ何も著者のことを知らないようなものなのだが、それでも十二分に楽しめた。

SFにジャンルを限らず、様々な色味の作品が入り混じっており、「十月のゲーム」はサスペンスもの。
夫婦の愛憎が引き金となり、身の毛もよだつようなラストシーンをまねくまで、20ページに満たない文量に収まっていて、完成度が高い。

本領(?)であるSFはより磨きがかかる。
「永遠と地球」は、死に際の作家が未来まで飛ばされ、宇宙船に乗り、小説を書くというプロットが面白い。
作家の情熱がこれでもかと込められていて、ブラッドベリの小説にかける思いの強さが感じられた。
華氏451度』でも思ったけど、熱い人だよね。

「ドゥーダッド」はSFとしての奇想がキラリと光る一編。
”想像を実現できる道具”というギミックをフル活用したうえ、これしかないという完璧なオチで〆てくれる。

思ったより分かりやすいし、面白いから、他のも読んでみたいな、ブラッドベリ

 

評価:7点

2024/10/18 読了