立ち向かう振りの妄想癖

読んだ本の感想を雑に放ります(ミステリ多め)。超不定期更新です。

『秋期限定栗きんとん事件』 米澤穂信

内容(amazonより引用)

ぼくは思わず苦笑する。去年の夏休みに別れたというのに、何だかまた、小佐内さんと向き合っているような気がする。ぼくと小佐内さんの間にあるのが、極上の甘いものをのせた皿か、連続放火事件かという違いはあるけれど……ほんの少しずつ、しかし確実にエスカレートしてゆく連続放火事件に対し、ついに小鳩君は本格的に推理を巡らし始める。小鳩君と小佐内さんの再会はいつ? 解説=辻真先

 

 

感想(ネタバレなし)

※以下はネタバレ箇所を隠した感想です※

夏の一件でとんでもないカタストロフに至り、さてどうなるかと手に取った秋。

始まりからシリーズ読者の度肝を抜く展開で、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてしまったが、蓋を開けてみればいつも通りの二人で安心する。
てか、今まで小山内さんの異常さが目立っていたけど、小鳩君も十二分にイカレてるよな。
あの行動なんかサイコパスの域だよ!

でもって今回は新キャラである瓜野君の視点が交わるのだが、まぁ彼がイタいのなんの。
高校の新聞部なんて極小規模なコミュニティで何か大きなことを成し遂げたいと息巻いて、少しの成功でイキりちらし、有頂天になってしまう瓜野君。
まぁいい目には遭わないだろうと思ったが.......。

なんやかんやあったが、夏の終わりとは打って変わる、栗やさつまいものような、ほのかに甘い終わりで良かった。
割れ鍋に綴じ蓋である。

 

評価:7点

2024/9/21 読了

 

以下、ネタバレ箇所を含めた感想

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

感想(ネタバレあり)

夏の一件でとんでもないカタストロフに至り、さてどうなるかと手に取った秋。

始まりからシリーズ読者の度肝を抜く展開で、鳩が豆鉄砲を食ったような顔をしてしまったが、蓋を開けてみればいつも通りの二人で安心する。
てか、今まで小山内さんの異常さが目立っていたけど、小鳩君も十二分にイカレてるよな。
中丸さんと別れた後のあの行動なんかサイコパスの域だよ!

でもって今回は新キャラである瓜野君の視点が交わるのだが、まぁ彼がイタいのなんの。
高校の新聞部なんて極小規模なコミュニティで何か大きなことを成し遂げたいと息巻いて、少しの成功でイキりちらし、有頂天になってしまう瓜野君。
まぁいい目には遭わないだろうと思ったが、下巻でフルボッコにされ、プライドをバキボキにへし折られる様子は流石に可哀想だった。
完全にピエロじゃん。
中学の頃の小鳩君と似通うだけにその小物さ加減が露呈する。
小市民の慎ましさを持たぬ彼に、主人公が務まるはずもなかったのだ。

なんやかんやあったが、夏の終わりとは打って変わる、栗やさつまいものような、ほのかに甘い終わりで良かった。
割れ鍋に綴じ蓋である。

 

下線部がネタバレ箇所です